In to the moratorium

~農学院生のブログ~

ハンターハンター「キメラアント戦」の凄さ。キャラクター相関図

2017年6月26日、ハンターハンター連載再開!

先日ハンターハンター週刊少年ジャンプで連載再開しました。昨年7月以来の掲載だったので、約一年ぶりになります。暗黒大陸編非常に楽しみです。

漫画の中でもトップクラスでハンターハンターが好きなんですが、特に完成度が高いと思うのがキメラアント編です。

 

キメラアント編の簡単なあらすじ

 グリードアイランドから帰ったゴンとキルアは再開したUMAハンターのカイトとともに危険生物キメラアントの調査を行います。その過程で王直属護衛軍のネフェルピトーと交戦し、カイトが捕虜としてとらえられてしまいます。正気を失ったカイトをもとに戻すため、ゴンとキルアはハンター協会員で編成されたキメラアントの討伐隊に参加し、敵の本拠となった東ゴルドー共和国の宮殿への突入作戦に挑みます。

 

対キメラアント戦←バトル漫画屈指の名勝負

 宮殿に突入後のキメラアント戦は漫画史上に残る屈指の心理戦であると思います。秒単位で決められた戦いの過程に加え、各キャラクターの背景や性格、過去などがストーリーの流れと綿密に絡んでいて、物語の主軸も思わぬキャラ、展開によって動いていきます。そんなキメラアント編に関して、H×Hおなじみの相関図を作りました。

 

f:id:ganseki2816:20170706171653j:plain

ハンターハンター31巻より

 

キメラアント編で

 

f:id:ganseki2816:20170706171858j:plain

 ・ハンター協会討伐隊の作戦

 協会側の作戦はノヴのワープ能力ハイドアンドシークによって、午前0時に宮殿に突入。ネテロとゼノは同時刻上空から宮殿へと飛び降ります。ワープ組は3チームに分かれ、それぞれが護衛軍を足止めし、王と分断させることを図ります。一方ネテロたちは王のもとへ行き、拉致、遠方に移動することでタイマンで王と戦える状況を作ります。

 

 キャラクターの心理と物語上の絡み

 この戦いの凄いところは戦いを通した各キャラの心理的な変化がそのままストーリーと直結しているところだと思います。しかもそれぞれに納得でき、こいつならこうなるだろうなーという部分ですごく説得力があります。具体的に数例上げると。

 

ゴン

 ピトーへの復讐心に執着するあまり周りを見ようとせず、命がけで自分を助けるキルアの存在をないもののように扱う。そのきりつめた感情が絶望に変わってしまったとき、虚無感と怒りからものすごい力を発揮する。

 

ネテロ

 武術化としての志とハンター協会会長の任務で葛藤がある。メルエムとお互いのすべてをぶつけた勝負の末、任務遂行に殉じる形で非道な奥の手に出る。人間の本能を見たメルエムのその後に影響を与える。

 

 

敵でも同じです。

 

ネフェルピトー

 ゴンと対峙しその行動を観察することでゴンを脅威として警戒するようになる。それが確信に変わり、ゴンの抹殺を決意する。

 

ウェルフィン

 同じキメラアントで同じ記憶を持つイカルゴと戦うことでキメラアント側へ疑念・反抗心を抱くようになり、最終的に物語をひっくり返す出来事を起こす立場になる。

 

 4例だけ挙げましたが、この戦いの中で他にも多くのキャラクターが関係しあい、心理的な変化を経て、次の展開へとつながっています。こういったストーリーの作りこみを漫画というジャンルで見たことがなく、しかも少年バトル漫画のバトルの中でやってしまうところがハンターハンターの凄いところだと思います。

 

最後に

 今回の連載再開後本格的に始まる暗黒大陸編では今までにないほど多くのキャラクターが登場する予兆があります。富樫先生がジャンプ流のインタビューで「今回はこれでもかとキャラを出し、その中でいかに話を組み立てられるか挑戦したい」というような発言をしていました。現時点で今まで以上に複雑な話づくりを全く想像できないですが、期待を持ちつつ、毎週月曜日を楽しみに待ちたいです。